10/15(金)
 朝5時半に京成うすい駅を出発。上野駅7:02初の秋田新幹線こまちで秋田に向かう。玲二と白戸は羽田から飛行機で直接秋田に乗り込むが、空を飛ぶのが怖い佐瀬は一人単独行動。佐瀬の単独行動はいつものことである。しかし、踏み切りのある新幹線の車窓からのすばらしい景色は素晴らしく、飽きることはなかった。
11時前に秋田駅に到着。チェックインの時刻には早かったので喫茶店で時間をつぶすことに。店員のお姉ちゃんに秋田の見所とか名物をいろいろ教えてもらった。秋田の人は親切だ。
13時、駅前のレンタカー屋でヴィッツを借り、飛行機組を迎えに空港に向かう。ヴィッツにはカーナビがついており、道に迷うことはなかった。
 16時過ぎ、田沢湖到着。たつ子像の前で記念撮影をとる。中学校の修学旅行で来たことがある佐瀬がたつ子像の解説をしていたが、後でまったくでたらめだったことが判明。中学生の頃の記憶とはいいかげんなものだ。太陽が出たときの景色は素晴らしいものだったが、雲が多く肌寒く、すぐにお土産屋に向かう。お土産屋では「なまはげキティ」のぬいぐるみが売っており、玲二はどっかの女とメールしながら買うか買わないか最後まで迷っていた。
 田沢湖を後にし、乳頭温泉郷へ向かった。温泉郡の中でも一番雰囲気のよさそうな孫六温泉へ行く。川沿いにある野趣あふれる3つの露天風呂は、2つが混浴で1つが女性専用。佐瀬は風景の写真をとっていたのだが、白戸と玲二に「怪しい怪しい」連呼され、周りの人に変な目で見られていた。
 夜は名物のきりたんぽ鍋を堪能した。しかし、玲二と白戸は「早く川反にいこうぜ!」と佐瀬を急かし、歓楽街へと向かった。玲二は「川の方へ行きたいんだ。川の方へ行けば大丈夫だ」と呪文のように唱えていた。携帯で山田に地元の情報を逐一仕入れていた。一方山田は明日の結婚式を控えてるにもかかわらず、病院の宿直室で卑猥なDVDを鑑賞していたようで、イヤラシイ声を電話越しに確認することができた。 
 ホテルに戻り、白戸は大満足な様子。一方玲二は元気がなく、なにやら夜遊びに満足できなかったようだ。佐瀬が「山田の薦めるとこなんて所詮そんなもんだって。やつはスリルを楽しむやつだから・・」と玲二を励ましていた。
10/15(土)
 午前中男鹿半島にドライブに向かう。途中雰囲気のよい海水浴場を発見したのでそこで結婚式の余興をの練習をした。
白戸と佐瀬は日本海の荒波をバックに自分たちの音楽に酔いしれていた。一方玲二は失恋した女の名前をそっと波に流し、その傷を癒していた。
 昼頃秋田市内に戻り、レンタカー返却後、玄太郎と合流。余興の練習も仕上げに入った。
 17時頃、披露宴が始まる。佐瀬はその結婚式の素晴らしさに「あ〜おれも結婚したいな〜」とつぶやき、白戸は「山田のねーちゃんってすげえ美人だなあ」を連発。玲二は女性と隣の席になれなかったことへの不満を新郎にぶつけていた。玄太郎は余興での自分のセリフを何度もチェックしていた。
そして余興が始まる。
はじめは玄太郎のスピーチから。「新郎の勝裕くんは高校時代からタバコをすってまして当時から肺が痛いとか言っておりました〜・・・・・」高校時代の暴露話で会場は盛り上がる。そしてライブが始まった。佐瀬のギターの前奏に続き歌に入る。しかし問題はそこで起こった。白戸が音をはずしまくってるのだ。玲二はその状況にどうしていいかわからず声を出すことができなくなり、佐瀬は白戸に正しい音を聞かせようとギターのボリュームを上げたが、100人もの観客の前で、自分の世界に浸ってしまっている白戸にその音が届くはずもなかった。玄太郎はもともと歌詞を覚えていなかったので、スピーチのあとはすっかり存在が消えていた。そして痛々しいライブが終わる。山田は「急に頼んでごめんな」とこちらを気遣ったが、お笑いギター集団は「たのしかったな!おれらにしてはよくやった!」とそれなりに満足げであった。そして披露宴はクライマックスへと向かう。新婦が両親にむかってお礼の言葉を言うのだ。新婦や両親だけでなく、新郎の山田自身も目を赤くしてた。そして涙がこぼれるのを拒否するかのように硬く目を閉じた。そんないつもと違った山田を見た佐瀬も思わず涙ぐんでいた。しかし、あとでそのときのことを山田に聞くと、「ああ。照明がすっごくあかるくて目が痛かったんだよな〜。しかもみんなこっち見るから目線のやり場に困っちゃってさ!仕方ないから目を閉じてたんだよね〜」。佐瀬、感動損。「やっぱ山田はかわってねえなあ。山田があんなんで感動するはずないじゃん!」と玲二。たしかにそうだった。山田の性格を改めて思い出し、納得した佐瀬であった。
二次会は近くのイタリアンレストランで行われた。山田は幸せ太りでスーツが入らなかったと、普段どおりの格好でやってきた。山形市役所に玲二にそっくりな人がいるらしく、なんだか玲二は人気者になっていて、とうとう最後には一本締めまで任されていた。最近、玲二は酒をのむとやたらノリノリだ。白戸は二次会を途中で抜け出し、早くもネオン街に消えていた。
二次会も程なく終了し、山田に連れられカラオケに行く。玄太郎は新郎の援助を受け、やはりネオン街に消えた。そのときの後ろ姿が、我々がみた玄太郎の最後の姿だった。
途中から白戸がカラオケに合流してきた。昨晩に引き続きご機嫌だ。白戸は野獣コールを一身にうけ、ノリノリで腰を振って歌っていた。夜遊びに慣れていない佐瀬はすでにソファーでうたた寝をしていた。
10月17日(日)
正午にチェックアウト。地元の人お奨めのラーメン屋にいく。すっごいうまい味噌ラーメン。いつも地元でおいしいと思っていたラーメン屋のラーメンが、ただの味噌汁に思えるほどおいしかった。お土産を買ったりして時間をつぶし、佐瀬は新幹線で帰郷。車内では仙台牛タン弁当を食し、上野ではアメ横焼きと磯辺餅、カットフルーツを食し、イブニングライナーで臼井に戻る。とても充実した2泊3日だった。泊まりで友達といるってことが、こんなに楽しいもんだったんだなと改めて実感した旅行であった。(了)


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これを書いた日 2004年10月19日